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JOURNAL
− ジャーナル −

25
 スタッフ紹介 vol.2
金田さんへのインタビュー

 
 

 

#スタッフ紹介 #対談  
     
  金田勝則(かねだ かつのり)さんは、テオリ創業当時からの最古参スタッフで、現在は大手取引先の業務を一手に担っておられます。

テオリ創業当時の様子や現在の仕事内容について、金田さんにお伺いしました。
 
     
   
     
 

テオリ

金田さんはテオリの創業にどのように関わられたのですか?


金田さん

元々創業者の会長(中山正明)と同じ家具の会社で働いていましたが、会長が独立されるという噂を聞き、ぜひ一緒にと私から電話をかけてお願いしました。
会社の立ち上げの際には、七十坪ぐらいの電気屋さんの倉庫を借りて、会長と奥さん、定森と私の四人でスタートしました。当時私は二十六歳でしたね。


テオリ

創業当初のお話は中山会長にもお伺いしましたが、工場はかなり狭かったそうですね。

金田さん

細長いウナギの寝床のような建屋だったんですね 。その中に事務所や機械があり、トラックを止めて荷下ろしをするスペースもわずかしかなかったので、雨が降ったりすると作業も出荷もまあまあ厳しかったですね 。しかし狭いながらもバタフライ天板(折りたたみのテーブル天板)やキッチンの扉などを作って、仕事としては回っていましたね。1993年に現在の本社工場に移りましたが、まだ下請け仕事が中心でした。

そんな中でも地元のものを活かして何か独自のものを持っておかないといけないとの思いから、1996年頃から竹に取り組み始めました。紆余曲折を経て徐々に形になり始めましたが、当初から材料売りはしないという方針はしっかり持っていました。
テオリで何か価値を生み出してから、その後様々な方にお手伝いをいただくという形。これが会長の考えだったんですね 。


テオリ

金田さんも中山会長と同じ考えだったのですか?


金田さん

そうですね。付加価値となるところをちゃんと我々で握っておくといういうことですね。やはり小さくともきちんとした役割を持った会社でないと、いつか必要とされなくなります。
ただただ会社を大きくすることはできるんですよ。下請けで大きなところについて何でもやりますっていうふうにすれば、50人でも60人でも雇えるんです。ただそれでは先方の考えが変わったらそれでもう終わりなんですよね。でもこれが数人しかいない会社であっても、この線だけは自分達でないとできないというようなものを持っていれば、企業としては生き残ることができる。それが会長の考えだったと思うし、僕もそう思っていました。


テオリ


竹に取り組まれた当初は、どんな苦労がありましたか?


金田さん

 
 

 

 

竹の特性がまずわからなかったですね。竹というものがどうして物差しや耳かきぐらいにしかならなかったのか、疑問ではいたんですね。おそらく昔の人が頑張っても小さなものしかできなかった理由が多分あったんだと思うんです。で、やってみて分かるのは、ただ山に生えている竹を家具にしていく、そのこと自体が非常に難しい製品なんですよね。

竹集成材のようなものは、機械や接着剤の技術が進んでいなかった時にはおそらく難しかったんだと思います。それを我々が何回も試作や検証を延々と繰り返して、
今ようやく製品として出来上がっている。結構な時間がかかったなという印象ですね。

なんでもかんでもできるわけではないですが、活かしどころみたいなものがつかめてきて、品質のコントロールがきるようになってきた感覚です。 


テオリ

金田さんは今どのような業務に携わられているのですか?


金田さん

僕はもう竹からは離れていて、大口顧客の専従窓口としての業務をしています。もちろん先方から竹集成材天板などのご依頼もありますが、それ以外の木材加工のご依頼も含めて、うちにとっては決して少なくないお取引がある顧客です。
ただ僕がその仕事を一生懸命力を入れてやってるのは、意識の中では竹の仕事を発展させていく時の資金源として、ようはお金を持って帰ることを役割として自覚してるんですね。
あとはこういう仕事を通じて、若い社員達がしっかりと技術開発の向上ができるようにバックアップすることが自分の役目だと決めてやっているんです 。


テオリ

大口顧客に対して実質お一人で対応されてるとすると、大変な仕事量になりそうですね。


金田さん

テオリで請負う部分も大きいのですが、他の協力工場にも何社か生産委託をしていますので、外注管理もしないといけないですね。 外部の人の協力も得るためには、やっぱり元請けと下請けという感覚を持っていたら続かないんですよ。やはりうちの会社と協力会社を同じ目線で見ていないと、取引先に対しての品質管理がなかなか実現できないですね。
それを実現するために協力工場と継続的に会議を行なっています。例えば納品時に寸法が違うとか、色が違うとか、傷があるとかヒューマンエラーとしては色々あるわけですよね。そのポカミスを無くすのは非常に難しいのですが、それをあえてなくしていく方法をみんなで考えます。

またコスト管理も重要です。うちにとっても重要ですけど当然取引先にとっても重要で、コストは上がる要因のひとつはどこかに無駄があるからなんですね。例えば工程に無駄があったり、作り方や材料の使い方がおかしかったり。うちはこれでしか出せないよというような思い込みがあったり。

こういうことを一つ一つ検証していく地道な作業の積み重ねです。僕の入った当時のクレーム率と比べると、最近のはかなり少ない状態が維持できていると思います。


テオリ

では委託先の会社も含めて調整と確認をずっとされているということですね。


金田さん

 
 

 
  やってる中でわかったんですけど、外部の会社を見たときに絶対にクレームが出るなっていう特徴があるんですよ。

もう片付いてない会社は絶対にダメです。動線が悪いとか、向こうが見えないとか、壁に何かが立てかけてあるとか、こういう会社は間違いなくクレームが発生します。
ある協力工場さんは、片付けからやりましたね。捨てるものと使えるものを区別して、挨拶や記録の管理を徹底して、果ては余分な壁の撤去まで行いましたね。

他社に対してそこまで介入するのは余計なことかと思いましたけど、そこをやらないとうちの会社としては付き合えないと思いました。そこから徐々に徐々にですけど変わってくるんですね。耐えられない人は辞めていきますが、結果的には前より少ない人数で効率が上がっていきいます。


テオリ

そこまでやられるとなると、後継者育成が課題になりますね。


金田さん

属人的な部分と組織的な部分のバランスはどの組織でも難しいですよね。やっぱり仕事はどんなに大きな組織でも小さな組織でも、個々の信頼関係なんですよ。最終的にはどういうふうに繋がってるかだけなんですね。
逆に比較的小さな会社でやる仕事の楽しみって、自分の裁量によって変わる部分が大きいので、そういうところにあるかもしれないですね。


テオリ

金田さんから見て、テオリは今後どのように進んでいくのが良いと思いますか?


金田さん

一番いいのはやっぱり竹を追求していくことですね 。ニーズに答えていきながら素材を深く追求していった方がいいと思います。

テオリのその時々で竹の追求を「自分の仕事」にしてくれる人が出て来てくれるといいですね。そういう人はかなり珍しいかもしれませんけど、絶対おられるはずだと思っています。
 
 
 

 
 

 

 
 

JOURNAL #26
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