竹集成材の生産体制を整えていたちょうどその頃、
中山は大手書架メーカーのI氏と出会った。
新たな図書館用書架を模索していたI氏は、
竹集成材に強い関心を示し中山と意気投合。
2000年に中国の工場から入ってきた最初の竹集成材を使って、
共に試作や強度試験を行った。
図書館用木製書架の棚板は厚さ25mmが一般的であったが、
竹集成材は17mmまで薄くしても同程度の強度が確保できた。
1枚づつはわずか8mmの差だが、
何段も積み重ねれば文庫の棚が追加できるほどの差になる。
また竹は比重が高く硬いため、金属レールを使わず
竹に直接溝を掘るだけでブックサポート金具
(可動式ブックエンド)を使用することができた。
2000年の11月には図書館用品の展示会に出品。
木に比べて環境負荷が低く、
また独自の特徴を備えた竹集成材書架は高く評価された。
その結果、竹集成材書架は大手書架メーカーのカタログ掲載品となり、
その後の経営の安定に寄与することとなる。 |