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また本館2階には、エバルスが設置した林源十郎商店記念室があります。記念室では林家の成り立ちや地域での役割、さらに林源十郎、石井十次、大原孫三郎の3人の出逢いが地域にとって重要な出来事であったことを紹介しています。大原孫三郎は、東京専門学校(後の早稲田大学)在学中に放蕩生活の末、今のお金で数億もの借金を作り、中退させられ父親に連れ戻されたエピソードがあります。
一方、林源十郎は石井十次の岡山孤児院を援助し、共にキリスト教徒として地域貢献活動を行っていました。
孫三郎の将来を考えて父・考四郎は、林家の源十郎に息子を預けました。源十郎は、孫三郎の誕生日に石井十次と引き合わせました。この出逢いをきっかけに、孫三郎は遊び人から心を入れ替え、後にキリスト教徒へ改宗。私財を投じて孤児の救済をする石井十字、それを支援する源十郎、親の金を自分のためだけに使っていた孫三郎はこの時、人生を変えるスイッチが入ったのだと思います。この出逢いを機に、石井十次の慈善活動への支援、さらには自身の事業で得た利益を、文化・教育・医療・研究などに投じました。
これらの支援活動は単発では終わらず、その後になって時代や国が追い付いてきたように、活動の意義は現在まで継続しています。例えば地域での活動が倉敷中央病院や岡山大学農学部の前身となる研究所の設立につながり、今も続く形で残り地域の財産となっています。
こうした人との出会いによって孫三郎のスイッチが入ったことで、地域社会人としての意識が高まり、倉敷のまちづくりが進んで行きました。改めて 「まちづくりは人である」という普遍的な価値観を再認識しました。
本館屋上からのまちなみ、屋号、商業施設に記念館など、林源十郎商店もまた、「本質 ×カワイイ」仕掛けによって「へいのない学校」を展開しています。なかなか誰にも学校とは気づいてもらえないんですが、経験の中で自分の中に何か残ってくれれば良いですね。
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