JOURNAL − ジャーナル − #17 TEORI STORY vol.6
2004年、展示会で発表した竹集成材学習デスク「Take(テイク)」の小売店での取り扱いが決まり、初めて一般のお客さん向けに自社商品を販売し始めた頃、中山正明(当時社長)は竹集成材家具のラインナップ拡充を進めていた。 「Take」のデザインを担当した岡山県立大学の三原鉄平助手に依頼し、ダイニングテーブル、ダイニングチェア、キャビネット、ソファを矢継ぎ早に開発した。現在も販売されている「OMO Sofa」もこの時に開発されたものである。
展示会終了後、早速三原助手にインテリア小物開発の相談を持ちかけた。 逆に三原助手から、まずアイデアの数を出して試作をしながら絞り込んでいくこと、そのためにチーム体制で進めること提案された。 中山に了承を得た三原助手は、各業界で活躍する岡山県立大学の卒業生に声をかけ、最終的に5名のデザイナーが参加することとなった。 早速Skypeでオンラインミーティングを始めたデザイナーチームは、このプロジェクトを「竹集成材プロジェクト」と銘打ち、各自が持ち寄ったアイデアスケッチをメールで共有しながら、夜半のSkypeミーティングで議論を重ね、アイデアをブラッシュアップしていった。竹集成材の認知を高めることがプロジェクトのミッションであるため、竹の素材感をアピールできるもの、竹である必然性を備えたもの、竹でしかできないフォルムを実現したものを中心に選定することになった。 会議の最中、当時ロンドンで開催されていた「100%Design」展が、2005年11月に日本で初開催されることを知り、プロジェクトの発表を「100%Design Tokyo」に定めた時にはすでに梅雨が明けようとしていた。展示会まで残りたった3ヶ月強、そこから怒涛の開発に突入した。 腹を括った中山とテオリのスタッフも、次々と持ち込まれる図面をもとに無理を押して試作を進めた。
短期決戦で大変な開発だったが、デザインの力を通じ竹集成材の魅力を知ってもらう事が出来た。
テオリストーリーvol.7 2年目の竹集成材プロジェクト