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JOURNAL
− ジャーナル −

#16 
倉敷の物語 vol.3

 
     
  現在のアイビースクエアレンガと蔦の組み合わせが美しい  
 
 

 

#ヒストリー #倉敷  

 

   
 
  アイビースクエアと建築家、浦部鎮太郎  
 

 

 
 

倉敷アイビースクエアは、1889年(明治22年)に建設された倉敷紡績の本社工場を再開発した、宿泊施設やレストラン、歴史館や地元特産品を扱うショップなどがある複合文化施設です。
倉敷紡績の本社工場は、イギリスの工場を忠実に再現した設計で、操業当時の煉瓦壁はイギリス積みと言われる煉瓦の積み方が採用されています。ノコギリ形状の屋根も、イギリスの工場設計をそのまま再現したものですが、日本はイギリスより緯度が低いため、春分から秋分にかけ天井北面の採光窓から直射日光が入ってしまい、特に夏場は暑さに苦しんだと言われています。

 
     
 

高度経済成長期に国内旅行が活発になると、江戸時代の街並みが残る倉敷美観地区への観光客が急増し、地域の宿泊・飲食施設不足が深刻な課題となりました。倉敷市や地域住民からの強い要請を受け、クラボウ(倉敷紡績)は発祥の地である本社工場の再開発を決定しました。設計を担ったのは岡山県児島郡粒江村(現:倉敷市)出身の建築家、浦辺鎮太郎です。大原総一郎は経済・文化・道徳が完全に調和した街づくりによって、倉敷を地方のモデル都市にすることを構想しました。
浦辺鎮太郎はその思想に感銘し、1968年の総一郎死去後も、倉敷市民会館や倉敷市庁舎など、大原家や倉敷に関連する建築を数多く残しています。

 
   
     
 
 
 
     
 
     
レンガ造りの観光エリアに

改修された本社工場は、倉敷アイビースクエアと名を改め1974年に開業。文化的にも貴重な操業当時の工場外観と基本構造を残した設計となっており、宿泊施設やショップが広大な中庭広場を介してゆるやかにつながり、地域住民や観光客が行き交う憩いの場となっています。また倉敷紡績本社工場は倉敷代官所跡地に建てられており、復元された江戸時代の井戸や外堀の名残を見ることができます。
こうしたことから倉敷アイビースクエアは、2007年に経済産業省により「近代化産業遺産」として認定されました。2017年には文化庁より「日本遺産(一輪の綿花から始まる倉敷物語〜和と洋が織りなす繊維のまち〜)」構成文化財の一つとして認定されています。現在も宿泊することができる「文化施設」として、歴史の薫りを訪れる人々に提供しています。

 

リニューアルされたアイビースクエアの客室
テオリのソファとリビングテーブルを採用頂いた

写真撮影:フォワードストローク
 

2020年の客室改装に合わせて、地元の家具を使った空間にしたいと、テオリの家具をご採用頂きました。

設計は鎮太郎の伝統を受け継ぐ浦部設計株式会社が担当。

歴史ある建物を活かしながらリニューアルされた空間は、レンガや屋根の構造などの古いものと新しいものが調和し、ゆったりと寛げる空間になっています。

 

     
 
 
   
 
 
     
     
         
#17 2023.7.14 upload

テオリストーリーvol.6
竹集成材プロジェクト

#ヒストリー #デザイン
 
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contents

 
  #14 2022.12.3 upload   #15 2023.3.1 upload  
     
  倉敷の物語 vol.1
倉敷の町ができるまで
 

倉敷の物語vol.2
倉敷の文化の礎

 
     
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